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ハーセプチン(トラスツズマブ)-乳がん、胃がん

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11.6~27.5%

HER2過剰発現乳がんに対する奏効率は11.6~27.5%であり、良好とは言いがたい数値です。劇的に効いたという症例報告がよく目に入りますが、残念ながら良い反応が得られない方は少なくありません。
ハーセプチンは乳がんの術後療法、転移性乳がんに使われる分子標的薬です。 胃がんにも使うこともできます。HER2タンパクが過剰に発現している症例に使った場合に、高い効果が得られることがわかっています。逆にHER2タンパクが少ない場合は、あまり効果を期待できません。 【薬剤師のコメント】乳がん治療に分子標的薬が使われるようになり、治療の選択肢が増えました。しかしどれだけ多くの乳がんの方が救われるようになったのか、それを見極めることが大切です。 HER2タンパクはがんの増殖に関わる物質であり、ハーセプチンはその働きを阻害します。しかしHER2は生体の維持に必要な物質であり、特に心臓において重要です。ハーセプチンの副作用により重篤な心臓障害が発生するのはそのためだと思われます。 ハーセプチンにより劇的に改善したとする症例がいくつも報告されていますが、良くなった症例だけを見るのではなく、全症例の有効率などをしっかり見ておきましょう。→ハーセプチンの有効率 ハーセプチンは非常に大きなサイズの分子構造のため、脳にはとどきません。乳がんはしばしば脳転移を起こしますが、それに対してハーセプチンは無効だと思われます。ハーセプチンが脳転移を起こしやすくするとの情報が過去にありましたが、それは否定されているので心配ないでしょう。→血液脳関門について 【モノリスからのお知らせ】メール相談をご利用ください ハーセプチンの作用を増強し副作用の軽減が期待できます。がんの治療の悩みなどお気軽にご相談ください。
ハーセプチンのより詳しい情報はリンク先でご覧になれます。 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/
【成分名】 トラスツズマブ 【商品名】 ハーセプチン 【効能・効果】 HER2過剰発現が確認された転移性乳がん HER2過剰発現が確認された乳がんの術後補助化学療法 HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃がん 【警告・注意事項】 重篤な心障害が発生し、亡くなった方がいます。次のような方は頻回に検査を受けて慎重に使用しなくてはなりません。  ・アントラサイクリン系薬剤を投与中またはその前治療歴がある  ・胸部へ放射線を照射中  ・心不全症状がある ・心筋梗塞や狭心症またはその既往歴がある  ・高血圧症のまたはその既往歴がある 投与開始後24時間以内に、アナフィラキシー様症状、気管支痙攣、重度の血圧低下、急性呼吸促迫症候群等が発現し亡くなった方がいます。特に安静時でも呼吸困難のある方や過去にそうであった方は重篤化しやすいので、慎重に使わなくてはなりません。 【副作用発現率】 →抗がん剤の副作用 <HER2過剰発現が確認された転移性乳癌> 国内の承認時迄の調査18例において、副作用は14例(77.8%)に認められました。主な副作用は、発熱44.4%、嘔吐16.7%、悪寒16.7%、けん怠感16.7%等です。 国外の臨床試験1,298例において認められた主な副作用は、発熱27.7%、悪寒27.7%、無力症19.8%、悪心19.4%、疼痛12.7%等です。 <HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法> 国内外の1,678例のうち副作用が600例35.8%に認められました。主な副作用は、悪寒4.5%、頭痛3.6%、発熱3.5%、悪心3.1%、疲労3.0%、駆出率低下3.0%等です。そのうちの国内症例41例において、副作用が23例56.1%に認められました。主な副作用は悪寒14.6%、発熱12.2%、疲労12.2%、頭痛12.2%、爪の障害12.2%等です。 <HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌> 国内外で実施した第III相無作為化比較試験(ToGA試験)のうち本剤が投与された294例において、副作用が283例(96.3%)に認められました。主な副作用は、悪心63.3%、好中球減少症53.4%、嘔吐43.9%、食欲不振41.2%、疲労29.6%、下痢28.9%、手掌・足底発赤知覚不全症候群24.5%、口内炎22.4%等です。そのうち国内症例51例において、副作用が50例(98.0%)に認められ、主な副作用は食欲不振84.3%、悪心80.4%、腎機能障害60.8%、好中球減少症58.8%、嘔吐56.9%、疲労56.9%、口内炎51.0%、しゃっくり39.2%、手掌・足底発赤知覚不全症候群37.3%、便秘35.3%等です。 【奏効率】
HER2過剰発現乳癌患者に対する抗腫瘍効果
投与方法 抗腫瘍効果
単独投与 シスプラチン併用 11.6% 24.3%
アントラサイクリン+シクロホスファミド(AC)併用 パクリタキセル併用 単独投与 55.9% 41.3% 16.4%
初回4mg/kg、維持量2mg/kg 初回8mg/kg、維持量4mg/kg 既存の癌治療併用 標準的癌化学療法併用 21.2% 27.5% 14.2% 3.2%

モノリスのホームページでは専門的な情報もお伝えしています。疑問点は薬剤師などに確認して下さい。 医療用医薬品を自分だけの判断で開始、中止、用量変更すると危険な場合があります。
監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医> 

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員