アリムタ(ペメトレキセドナトリウム)-非小細胞肺がん
- 2011年05月30日
- _がんニュース/がん治療・治療薬情報
240,300円
アリムタ(500mg/瓶)の薬価です。身長160cm体重60kgであれば800mg程度を3週に一回投与しますので一回38万円程度の薬代になります。
アリムタは悪性胸膜中皮腫と非小細胞肺がんに使われる抗がん剤です。アスベスト吸引が原因の中皮腫に使うことができます。
葉酸拮抗剤というタイプの抗がん剤です。同じ葉酸拮抗剤の5-FUやメトトレキサートが1つの葉酸代謝経路を阻害するのに対して、アリムタは複数の葉酸代謝経路を遮断します。そのためアリムタは強力な抗腫瘍効果を持つことになりました。
服用中は正常細胞で利用する葉酸も不足して重大な副作用が発現するため、必ず葉酸とビタミンB12の補給を行わなくてはなりません。
【薬剤師のコメント】アリムタは非小細胞肺がんの非扁平上皮がん、すなわち腺がんや大細胞がんに対してのみ効果が確認されています。他のタイプの肺がんでは既存のレジメンよりも効果が劣ります。→組織型別の生存期間中央値
シスプラチンと併用されることが多いと思いますが、お互い強烈な副作用を有しており、適切な副作用対策が必要です。外来で投与することもできますが、入院が必要となることもあるでしょう。
副作用による死亡例があります。その半数の方は葉酸とビタミンB12を補給していませんでした。
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アリムタの作用を増強し副作用の軽減が期待できます。がんの治療の悩みなどお気軽にご相談ください。
アリムタのより詳しい情報はリンク先でご覧になれます。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/
【成分名】
ペメトレキセドナトリウム
【商品名】
アリムタ
【効能・効果】
悪性胸膜中皮腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
【警告・注意事項】
重篤な副作用の発生率を減らすため、必ず葉酸とビタミンB12を投与します。
重度の腎機能障害がある場合は使用は推奨されません。死亡例があります。
多量の胸水又は腹水があると副作用が増強する可能性があります。体腔液の排出を検討します。
間質性肺炎が疑われた場合は投与を中止し適切な処置を行います。
高度な骨髄抑制のある方には使いません。増悪して致命的となることがあります。
【副作用発現率】 →抗がん剤の副作用
シスプラチンとの併用試験で死亡例が全投与症例25例中1例に認められました。
25例中に認められた主な副作用は、悪心96.0%、ヘモグロビン減少96.0%、食欲不振88.0%、好中球減少84.0%、赤血球減少84.0%、白血球減少80.0%、嘔吐72.0%、リンパ球減少64.0%、倦怠感56.0%、血中尿素増加52.0%です。
非小細胞肺がんの試験で死亡例が全投与症例226例中1例に認められました。
225例中に認められた主な副作用は、AST(GOT)上昇76.9%、発疹73.8%、白血球減少71.6%、ALT(GPT)上昇71.6%、好中球減少64.4%、食欲不振56.9%、ヘモグロビン減少54.2%、悪心53.8%、LDH上昇52.0%、リンパ球減少51.1%です。
【奏効率】
悪性胸膜中皮腫でシスプラチン併用の奏効率は36.8%です。
非小細胞肺癌(化学療法既治療)の奏効率は18.5%です。
組織型 | アリムタ+シスプラチン | ジェムザール+シスプラチン |
---|---|---|
扁平上皮がん | 9.4ヶ月 | 10.8ヶ月 |
腺がん | 12.6ヶ月 | 10.9ヶ月 |
大細胞がん | 10.4ヶ月 | 6.7ヶ月 |
腺がんと大細胞がんでは既存のレジメンよりも良い成績が出ています。
扁平上皮がんでは逆に劣っています。
組織型 | アリムタ | タキソテール |
---|---|---|
扁平上皮がん | 6.2ヶ月 | 7.4ヶ月 |
腺がん | 9.0ヶ月 | 9.2ヶ月 |
大細胞がん | 12.8ヶ月 | 4.5ヶ月 |
大細胞がんのみでタキソテールを上回る成績が出ています。
扁平上皮がん、腺がんでは逆に劣っています。
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医療用医薬品を自分だけの判断で開始、中止、用量変更すると危険な場合があります。
大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。
学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員