レブラミド(レナリドミド)-多発性骨髄腫
- 更新日2023年12月08日
- _がんニュース/がん治療・治療薬情報
レブラミドはサリドマイドを元に作られた抗がん剤です。多発性骨髄腫に対してデキサメタゾン(ステロイド)を併用して投与します。レブラミド単独使用の有効性は確認されていません。 サリドマイドと同じ多発性骨髄腫に適応がありますが、手足のしびれなどの副作用が起こりにくいと言われています。その反面、海外の報告ではレブラミドの使用により新たな癌が発生することが報告されています。 過去のサリドマイドの痛ましい薬害はご存じの方も多いと思います。レブラミドにも同様に催奇形性(胎児の奇形)のリスクがあります。妊娠の可能性のある女性はもちろんのこと、男性であっても避妊を徹底しなくてはなりません。 ※多くの抗がん剤には、レブラミドに限らず胎児に奇形が生じるリスクがあります。 レブラミドには血管新生阻害作用が認められ、癌を栄養不足にすることで抗がん作用を発揮します。しかし血管新生はがん組織周辺だけでなく胎児においても活発です。レブラミドが血管新生を阻害し胎児の成長を阻害してしまうため、催奇形性が起こると考えられています。
レブラミドの添付文書からの情報
極めて重要な情報源である添付文書ですが、一般の方には非常に難解です。 少しでもわかりやすくなるように、重要性の高い情報をまとめました。 省略した情報や表現を変更した部分があります。重要な判断を必要とする場合は、必ず以下のサイトから原文を確認してください。 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 モノリスへのお問い合わせはこちらをご利用ください。お問い合せフォーム効能効果(適応症)
再発又は難治性の多発性骨髄腫 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群警告・禁忌・重要な注意事項
|
発現頻度の高い副作用
治療歴のある多発性骨髄腫患者を対象とした国内第I相臨床試験の安全性評価症例(15例)及び5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者を対象とした国内第II相臨床試験の安全性評価症例(11例)において、合計26例中26例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少症23例(88.5%)、好中球減少症22例(84.6%)、白血球減少症21例(80.8%)、リンパ球減少症15例(57.7%)、便秘12例(46.2%)、発疹8例(30.8%)、貧血6例(23.1%)、好酸球増加症6例(23.1%)、そう痒症6例(23.1%)であった。(効能追加承認時) 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした外国第III相臨床試験〔MM-009試験(二重盲検期間2005年6月7日データカットオフ)及びMM-010試験(二重盲検期間2005年8月3日データカットオフ)の併合〕の本剤及びデキサメタゾン併用投与群の安全性評価症例において、353例中323例(91.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、好中球減少症135例(38.2%)、疲労92例(26.1%)、便秘78例(22.1%)、筋痙攣73例(20.7%)、不眠症63例(17.8%)、血小板減少症62例(17.6%)、無力症61例(17.3%)、貧血53例(15.0%)、下痢50例(14.2%)、末梢性ニューロパシー44例(12.5%)、悪心40例(11.3%)、筋脱力40例(11.3%)、振戦40例(11.3%)、発疹40例(11.3%)、末梢性浮腫38例(10.8%)、浮動性めまい36例(10.2%)であった。 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者を対象とした外国第III相臨床試験〔MDS-004試験(二重盲検期間2008年6月26日データカットオフ)〕の安全性評価症例において、10mg群69例中66例(95.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。10mg群での主な副作用は、好中球減少症52例(75.4%)、血小板減少症33例(47.8%)、そう痒症18例(26.1%)、下痢13例(18.8%)、便秘9例(13.0%)、疲労7例(10.1%)であった。 骨髄異形成症候群患者では多発性骨髄腫患者より骨髄抑制が高い割合で認められた。成績
外国の試験において無増悪期間と全生存期間の延長効果が認められたとする記載があります。 以下は添付文書中の成績表ですが、肝心の全生存期間中央値が推定不可となっており、評価できません。 ※無増悪期間が延長していても、全生存期間が延長すると推測することはできません。外国第III相臨床試験(MM-009試験)の有効性成績の要約 (二重盲検期間:2005年6月7日データカットオフ)
本剤+デキサメタゾン群(被験者数=177) | デキサメタゾン単独群(被験者数=176) | |
---|---|---|
無増悪期間(TTP) | ||
イベント発生者数(%) | 73(41.2) | 120(68.2) |
中央値(週) [95%信頼区間] | 60.1 [41.1,80.0] | 20.1 [16.1,21.1] |
ハザード比 [95%信頼区間] | 0.285 [0.210,0.386] | 0.285 [0.210,0.386] |
p値(Log-rank検定) | <0.001 | <0.001 |
全生存期間(OS) | ||
死亡患者数(%) | 37(20.9) | 60(34.1) |
中央値(週) [95%信頼区間] | NE [NE] | 103.7 [82.6,NE] |
ハザード比 [95%信頼区間] | 0.499 [0.330,0.752] | 0.499 [0.330,0.752] |
p値(Log-rank検定) | <0.001 | <0.001 |
服用中の医薬品を自分の判断だけで、中止・用法用量変更することは危険です。必ず担当医や担当薬剤師に相談して下さい。
監修医師 藤沼秀光(医学博士) <藤沼医院 院長、栃木県警察医>
大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。
学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員
がんニュース/がん治療・治療薬情報