シスプラチン-肺がん、卵巣がん等
- 更新日2023年12月08日
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19.4%
シスプラチン単独使用による非小細胞肺がんの奏効率はわずか19.4%です。ですから通常は他の抗がん剤と組み合わせて使い、治療成績を改善させます。他のがんでの奏効率は下に記載しました。シスプラチンは強力な腫瘍縮小作用を持った抗がん剤です。また強い副作用を持っていることでも良く知られていますが、適切な処置でコントロール可能です。 分子構造内にプラチナ(白金)原子を含んでいるためプラチナ製剤と呼ばれます。プラチナ製剤には他にカルボプラチン、ネダラプラチンなどがあります。いずれもシスプラチンに比べて副作用が弱くなった反面、腫瘍縮小効果も弱めになっています。 シスプラチンの副作用で一番気をつけなくてはいけないのは腎臓毒性です。腎臓障害を回避するために尿量を増やすことが大切です。尿量維持のために水分が必要ですので、大量の輸液を行います。利尿剤がよく併用されます。 吐き気の副作用も強烈ですが、最近の制吐剤はシスプラチンによる吐き気をかなり軽減させることができます。 【薬剤師のコメント】シスプラチンはDNAに結合するとその複製を阻害し、細胞分裂・増殖を抑制します。シスプラチンは2箇所の結合部分を持っているため、DNA内またはDNA同士に架橋を作って結合し、強力な腫瘍抑制効果を発揮します。 また分子量がとても小さいことも特徴で、細い血管で栄養されているがん細胞にも容易に到達すると考えられます。他のプラチナ製剤の効果が劣るのはシスプラチンよりも分子量が大きいからかもしれません。 通常は他の抗がん剤との併用で使われます。多くの抗がん剤で問題になる骨髄抑制の副作用がシスプラチンでは少ないため、他剤と併用しやすいのです。骨髄抑制は重篤な感染症を招くため、抗がん剤の投与量を制限する要因となります。ですから骨髄抑制の副作用を持つ抗がん剤同士は、組み合わせにくいと言えます。 【モノリスからのお知らせ】メール相談をご利用ください シスプラチンの作用を増強し副作用の軽減が期待できます。がんの治療の悩みなどお気軽にご相談ください。
シスプラチンのより詳しい情報はリンク先でご覧になれます。 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 https://www.pmda.go.jp/
【成分名】 シスプラチン 【商品名】 ランダ、ブリプラチン、ジェネリック医薬品あり 【効能・効果】 睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌、卵巣癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、食道癌、子宮頸癌、神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性胸膜中皮腫、胆道癌 以下の悪性腫瘍には他の抗がん剤と併用して投与されます。 悪性骨腫瘍、子宮体癌 (術後化学療法、転移・再発時化学療法)、再発・難治性悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍 (横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等) ※胆道癌にはジェムザール(ゲムシタビン)と併せて使われます。 【警告・注意事項】 もともと重い腎障害がある方には使えません。 【副作用発現率】 →抗がん剤の副作用 承認時1,339例+市販後調査7,448例での副作用発現率は85.6%でした。主なものは嘔気・嘔吐74.6%、食欲不振62.2%、全身倦怠感34.8%、脱毛25.7%、白血球減少36.5%、貧血28.0%、血小板減少17.0%、BUN上昇14.3%、クレアチニン・クリアランス値低下14.1%、血清クレアチニン上昇6.6%等です。 【奏効率】
腫瘍別 | 奏効率 |
---|---|
睾丸腫瘍 | 68.9% (31/45) |
膀胱癌 | 52.9% (27/51) |
腎盂・尿管腫瘍 | 36.4% (4/11) |
前立腺癌 | 19.0% (11/58) |
卵巣癌 | 57.6% (49/85) |
頭頸部癌 | 25.8% (17/66) |
非小細胞肺癌 | 19.4% (21/108) |
食道癌 | 21.3% (10/47) |
子宮頸癌 | 35.9% (14/39) |
神経芽細胞腫 | 37.5% (3/8) |
胃癌 | 17.2% (16/93) |
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監修医師 藤沼秀光(医学博士) <藤沼医院 院長、栃木県警察医>
大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。
学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員
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