スーテント(スニチニブ)-腎細胞がん、消化管間質腫瘍
- 更新日2024年01月12日
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スーテントは、腎細胞がんや消化管間質腫瘍(GIST)の治療に使われている分子標的薬です。
がんによる血管新生、がん細胞の増殖に関わる酵素タンパクの働きを阻害する働きを持っています。
腎臓がんには従来の抗がん剤があまり効きません。そのため薬物治療にはインターフェロンが用いられてきました。スーテントなどの分子標的薬が登場して腎臓がんの治療の選択肢が広がりました。
消化管間質腫瘍は胃や腸の壁の筋肉層から発生するがんです。治療薬にはグリベック(イマチニブ)がありますが、グリベックが無効な場合にもスーテントは有効だと言われています。
【薬剤師のコメント】MAPキナーゼの阻害による腫瘍増殖抑制とVEGF受容体、PDGF受容体の阻害による血管新生を阻害作用を持っている分子標的薬です。
血管新生を阻害するとがんへの酸素や栄養の供給が不足するため、がんは増殖できなくなると考えられています。ですが血管新生はがんの増殖だけに関わるわけではありません。体の正常な生体反応としても必要です。たとえばスーテント服用中は傷の治りが遅くなります。手術はスーテントを中断して行われます。
同じ作用メカニズムを持った分子標的薬にネクサバールがあり、スーテントと同じく腎細胞がんに使われます。スーテントのほうが効果は強いのですが副作用が出やすく、また重い副作用もあります。
グレープフルーツはジュースも果実も控えてください。スーテントの効果が強まり危険です。
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スーテントの作用を増強し副作用の軽減が期待できます。がんの治療の悩みなどお気軽にご相談ください。
スーテントのより詳しい情報はリンク先でご覧になれます。
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/
【成分名】
スニチニブ
【商品名】
スーテント
【効能・効果】
イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍
根治切除不能又は転移性の腎細胞がん
【警告・注意事項】
心不全等の重篤な心障害があらわれ、死亡に至った例も報告されています。不整脈などある場合は慎重に使います。
可逆性後白質脳症症候群(RPLS)があらわれることがあります。
骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあり感染症に気を付けなくてはなりません。
高血圧があらわれることがあるので、投与期間中は定期的に血圧を測定します。
腫瘍変性・縮小に伴う出血があらわれることがあります。肺に腫瘍のある場合、生命を脅かす重症の喀血又は肺出血が起こるおそれがあります。
脳転移をがある場合、脳出血があらわれることがあります。
抗不整脈薬を服用していたり、不整脈につながる心疾患、徐脈もしくは電解質異常の既往のある場合は、心室性不整脈が起こる可能性があるります。
血清アミラーゼや血清リパーゼの上昇があらわれることがあり、膵炎が引き起こされる恐れがあります。
甲状腺機能障害(低下症又は亢進症)があらわれることがあります。
肝機能障害、黄疸があらわれることがあります。
毛髪や皮膚の色が抜けたり、変色することがあります。皮膚の乾燥、肥厚又はひび割れ、手掌及び足底の水疱又は発疹などがあらわれることがあります。
創傷治癒を遅らせる可能性があるため、手術時は投与を中断すべきです。
めまい、傾眠、意識消失等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
【副作用発現率】 →抗がん剤の副作用
国内臨床試験では、81例全例に副作用が認められました。主な副作用は、血小板減少91.4%、白血球減少85.2%、皮膚変色82.7%、好中球減少82.7%、手足症候群65.4%、食欲不振64.2%、肝機能異常[AST(GOT)増加、 ALT(GPT)増加、γ-GTP増加]63.0%、疲労61.7%、リンパ球数減少61.7%でした。(承認時までの調査の集計)
【奏効率】
投与量 | 50mg(30例) |
---|---|
奏効率注1) | 13.3%(4例) |
クリニカルベネフィット率注2) | 40.0%(12例) |
完全奏効(CR) | 0% |
部分奏効(PR) | 13.3%(4例) |
病状安定化(SD)≧4コース(22週) | 26.7%(8例) |
注1:RECISTによるCR+PRの症例の占める割合
注2:RECISTによるCR+PR+4コース(22週)以上持続するSDの症例の占める割合
未治療患者群(25例) | 既治療患者群(26例) | |
---|---|---|
奏効率注) | 48.0%(12例) | 46.2%(12例) |
完全奏効(CR) | 4.0%(1例) | 0% |
部分奏効(PR) | 44.0%(11例) | 46.2%(12例) |
注:RECISTによるCR+PRの症例の占める割合
【生存期間中央値】
添付文書には無増悪期間中央値の記載があります。
スニチニブ群 (207例) |
プラセボ群 (105例) |
|
---|---|---|
無増悪期間中央値 | 27.3週 | 6.4週 |
注:ログランク検定
スニチニブ群 (375例) |
インターフェロン アルファ-2a群(375例) | |
---|---|---|
無増悪生存期間中央値 | 47.3週 | 22.0週 |
注:ログランク検定
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医療用医薬品を自分だけの判断で開始、中止、用量変更すると危険な場合があります。
大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。
学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員
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