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アフィニトール(エベロリムス)によるB型肝炎ウイルス再活性化について

「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「膵神経内分泌腫瘍」の適応をもつアフィニトール錠5mgに対して適正使用を促す情報提供が行われているので紹介します。 医薬品・医療機器等安全性情報No.289(厚生労働省医薬食品局)より

情報提供の概要

アフィニトールは強力な免疫抑制作用を持つ抗腫瘍剤です。B型肝炎ウイルスの感染者に使用した場合、ウイルスの活性化が起こることが指摘されていました。 海外の臨床試験ではB型肝炎が発現して死亡に至った症例の報告があったため、アフィニトールの添付文書には注意喚起のための警告文が記載されています。しかし国内においても死亡症例が発現したため、厚生労働省から今回の情報提供が行われました。

アフィニトールの添付文書より抜粋

[警  告] 肝炎ウイルスキャリアの患者で,本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化によ り肝不全に至り,死亡した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は, 劇症肝炎又は肝炎の増悪,肝不全が発現するおそれがあるので,定期的に肝機能検 査を行うなど,肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
 [慎重投与]  肝炎ウイルス,結核等の既感染者〔再活性化するおそれがある。〕
 [重要な基本 的注意]  本剤の免疫抑制作用により,細菌,真菌,ウイルスあるいは原虫による感染症や日 和見感染が発現又は悪化することがある。また,本剤投与により,肝炎ウイルス, 結核等が再活性化することがあるので,本剤投与に先立って感染の有無を確認する こと。感染症に罹患している場合には,本剤投与前に適切な処置をしておくこと。 本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。
[副作用 (重大な副作用)] 感染症:細菌,真菌,ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(肺炎,アスペル ギルス症,カンジダ症,敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり, 死亡に至った症例が報告されている。また,B型肝炎ウイルスの再活性化により, 肝不全に至り,死亡した症例が報告されている。これらの感染症の診断がされた場 合,直ちに本剤を休薬又は中止し,適切な処置を行うこと。侵襲性の全身性真菌感 染の診断がされた場合,直ちに本剤の投与を中止し,適切な抗真菌剤を投与するこ と。この場合は,本剤の投与は再開しないこと。

使用される方の注意

すでに治療されていてもウイルス性肝炎を患ったことがある方は必ず医師に伝えなくてはなりません。他のウイルス疾患、細菌感染がある場合も悪化する恐れがあります。それがたとえ水虫でも医師に伝えて下さい。
監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医> 

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員