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米国でアバスチンの乳癌に対する適応削除

医薬品医療機器総合機構より、「米国における、アバスチンの乳癌に対する適応削除について」とのタイトルで情報提供が行われています。 乳がん治療でアバスチンを使用中の患者様、使用を検討されている患者様に重要な情報となるため、原文のまま転載いたします。 文中に記載がありますが、治療についての不明点・不安点等は担当医にご相談ください。なおアバスチンは点滴薬です。

米国における、アバスチンの乳癌に対する適応削除について

2011年11月30日 医薬品医療機器総合機構、アバスチン(ベバシズマブ)を含む治療を受けている患者さまへ 米国で、アバスチンの乳癌に対する適応が削除されたことが、新聞等で報道されております。 日本では、米国での状況も含めて評価した上で、2011年9月に、アバスチンの乳癌に対する適応が承認されています。以下に、承認の経緯を簡単に御説明します。 なお、治療についてご不明な点や、ご不安な点等ございましたら、担当の医師にご相談ください。 2011年11月18日、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)は、アバスチンの乳癌に対する適応を削除するとの声明を出しました。日本では、2011年9月16日に、アバスチンの乳癌に対する適応が承認されております。 (注:承認された効能・効果は「手術不能又は再発乳癌」であり、用法・用量においてパクリタキセルとの併用が条件とされています)。 日本において、医薬品医療機器総合機構での審査では、主に以下に示します、手術不能又は再発乳癌患者で、はじめて化学療法を受ける患者を対象とした三つの海外比較臨床試験と一つの国内臨床試験の成績が評価されました2)。

【主な臨床試験】

  • E2100試験及び国内第Ⅱ相試験:パクリタキセルと併用した場合の検討
  • AVADO試験:ドセタキセルと併用した場合の検討
  • RIBBON1試験:カペシタビン、タキサン系又はアントラサイクリン系薬剤と併用した場合の検討
審査の結果、E2100試験において、アバスチンをパクリタキセルと併用した場合では、パクリタキセルのみの治療と比較して、明らかな延命効果は認められませんでしたが、がんが悪化せずにいられる期間(無増悪生存期間)の延長が認められ、一定の有効性と安全性が確認されました。添付文書の使用上の注意事項等に従い適正な使用がなされれば、アバスチンとパクリタキセルとの併用は、手術不能又は再発乳癌の治療方法のひとつとして意義があると判断され、承認されております1)。 米国では、E2100試験成績に基づいて、2008年2月にパクリタキセルとの併用で乳癌の適応が承認されましたが、その後、米国承認時に実施中であったAVADO試験及びRIBBON1試験の評価の結果、明らかな延命効果が認められなかったことなどを理由に、乳癌に対する適応を取消す手続きが進められてきたものです。 日本では、AVADO試験及びRIBBON1試験の成績も含めて米国が評価を行ったすべての臨床試験成績を評価し、加えて、米国で乳癌に対する適応の取消が議論されている状況も把握した上で、承認されたものです2)。したがいまして、今般、有効性や安全性に関する新たな情報が得られたわけではありません。 なお、欧州においては、E2100試験成績に基づいて、2007年3月にパクリタキセルとの併用で乳癌の適応が承認されており、現在も承認を継続しています。 今後、製造販売業者により、乳癌患者にアバスチンを使用する臨床試験が新たに計画されております。今後も、新たな情報等が得られましたら、引き続き評価を継続し、新たな対応等が必要な場合には、速やかに情報提供致します。 今後とも、適正使用への御協力をお願い致します。 1) 平成23年7月14日付審査報告書 アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/P201100161/450045000_21900AMX00910_A100_1.pdf
監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医> 

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員