ビタミン
- 更新日2019年04月16日
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主なビタミンの一覧
ビタミンA (レチノール)
健康な皮膚・粘膜の維持に関わるビタミンです。類似物質にベータカロチンがあり、これは体の中でレチノールに変換される前駆物質です。ベータカロチンは抗酸化作用をもち、ビタミンC・ビタミンEなどと供に細胞を守ります。また免疫を正常に保つ作用もあるため、ウイルスの侵入やがんの発生を抑制するビタミンとして重要です。 レチノールはレバー・卵・乳製品などの動物性食品に多く含まれ、ベータカロチンは緑黄色野菜や果物から摂取することができます。体内でレチノールに変換されるベータカロチンを意識して摂取すると良いでしょう。 動物性食品の摂取量を増やすべきではありません。 動物性食品の摂り過ぎは、どうしてもカロリー過多による肥満や、血中コレステロール値を上昇させる懸念があります。将来の動脈硬化、心臓疾患、脳血管障害の発生リスクを高めてしまいます。また乳製品は発がんに関与している疑いがあるので、モノリスでは推奨していません。 ベータカロチンは油があると吸収率が上がります。良質な油と、緑黄色野菜の相性はとても良い組み合わせです。 にんじんは植物性食品の中でも、特にベータカロチンが豊富に含まれている食品です。がん治療で有名なゲルソン食事療法では、にんじんをジュースにしてたくさん摂取します。ベータカロチンの抗酸化作用は、がんの治療中の方にも健康な方にとっても非常に有用です。 欠乏症として、夜盲症(とり目)が有名です。他にも脱毛や皮膚炎、感染症が起こりやすくなります。レチノールは体に蓄積しやすく過剰症があるため、サプリメントなどで摂取する際は服用量に気をつけてください。ベータカロチンは過剰症になりにくい性質があるので、より安全に摂取できます。ビタミンB1(チアミン)
糖質からエネルギーを生み出すときに働く補酵素です。神経伝達を正常に保つ働きもあります。不足すると疲労感が現れます。極端に不足してくると脚気が現れたり、運動障害などの神経症状が現れます。穀物・豚肉に多く含まれています。玄米に多く含まれますが、精白米では減少します。なお水に溶けやすく熱に弱い性質があるため、調理によりかなりの量が失われてしまいます。 アリシンはビタミンB1の吸収・効果を高めます。アリシンはニンニク・玉ねぎ・ニラなどに含まれる物質です。一緒に摂るように心がけてみてください。 玄米や全粒粉といった精白する前の穀物を主食に取り入れると良いでしょう。豆類もビタミンB1の摂取源としてお奨めします。ビタミンB1の摂取を目的に動物性食品を増やすことはやめましょう。なおインスタントラーメンのビタミンB1含有量はとても高いのですが、できるだけ控えていただくようお願いしています。 元気がみなぎるようなイメージから、日本ではビタミンB1を配合した多くの栄養ドリンクが売られています。滋養強壮の効果があるにしても、健康に役立つ商品ではありません。漫然と飲むことは奨めません。ビタミンB2 (リボフラビン)
脂肪からエネルギーを得る際に利用される補酵素です。肌や血管にたまった過酸化脂質の分解にも活躍します。過酸化脂質は動脈硬化を引き起こし、心臓病などのリスクを高めてしまうため、ビタミンB2の働きは重要です。ビタミンB2は肌に良いイメージが強いですが、生活習慣病の予防にも大いに役立つビタミンなのです。乳製品・野菜などから摂取することができます。ビタミンB2が不足すると、肌荒れ、口内炎などが起こりやすくなります。 過剰摂取で害になる心配はまずありません。多く摂ると尿が黄色くなりますが、それも心配いりません。ビタミンB3 (ニコチン酸(ナイアシン))
糖質や脂質からエネルギーを取り出す働きがあります。またアルコールの代謝にも関わります。動脈硬化の改善作用も認められています。ナイアシンはタンパク質を構成するトリプトファンというアミノ酸を原料に、体内でも合成されます。ですがビタミンB2・ビタミンB6が不足すると、ナイアシンも不足しやすくなるので気をつけましょう。 不足すると頭痛や不眠症を起こすことがあります。不足した状態が続くと膵臓機能を低下させる心配があります。 極端に不足するとペラグラと呼ばれる症状が起こり、紫外線で皮膚炎になったり、下痢になったり、神経障害から痴呆になることもあります。ペラグラは肝機能低下、飲酒などによりトリプトファンからのナイアシン合成が妨げられることで起こりやすくなります。ビタミンB5 (パントテン酸)
ビタミンB5とはあまり呼ばれず、パントテン酸の名称が一般的です。糖質・タンパク質・糖質の代謝に関わっています。日焼けの炎症を防いだり、髪を健康に保つ働きがあり、スキンケア商品やシャンプーに利用されています。 鶏・豚・牛のレバーに多く含まれますが、さまざまな食品に含まれており通常は欠乏症が起こる心配はありません。ですから、あえて動物性食品であるレバーを多く摂る必要はありません。 過剰症による害の心配もありません。ビタミンB6 (ピリドキシン)
アミノ酸の代謝に関わる補酵素です。摂取したタンパク質を有効利用するために必要です。魚、玄米、牛肉に多く含まれます。 他のビタミンB群と一緒に摂取するようにしましょう。 筋肉を維持するためにビタミンB12・葉酸と共に摂ると良いと考えられます。ビタミンB2が不足してくるとビタミンB6も不足しやすくなります。極端に不足した場合、皮膚炎や貧血、免疫力の低下が起こることがあります。過剰症の心配はまずありません。ビタミンB7 (ビオチン)
以前はビタミンHと呼ばれたこともあります。カルボキシラーゼと呼ばれる酵素の働きを助け、糖質、脂質、アミノ酸の代謝に関わります。皮膚炎の治療薬として使われています。血糖値を下げる作用も見出されています。 乳児はビオチン不足になりやすく、それがアトピー性皮膚炎の一因になっていると考えられています。母親が摂取して母乳から与えるようにすると良いでしょう。 不足すると皮膚炎、白髪、筋肉痛、うつ症状が現れたり、免疫機能の低下をもたらします。卵白がビオチンの吸収を阻害してしまうので、生卵の食べ過ぎは控えましょう。ビタミンB9 (葉酸)
DNAの合成に関わっており、細胞の増殖に必要なビタミンです。悪性貧血の治療に使われたり、胎児の正常な発育を促すために妊婦が摂取したりします。 葉酸が多く含まれているのは、鶏・豚・牛のレバーや大豆、牛乳、卵などです。野菜にも含まれていますので、あえて動物性食品を増やす必要はありません。ちなみにほうれん草の葉から発見されたために葉酸の名称がつけられています。葉酸が不足すると正常なDNA合成ができなくなり、細胞のがん化が起りやすくなると考えられています。 極端に不足してくると、悪性貧血を起こしたり、胎児の発育不全や流産の危険が高まります。過剰症による問題はありません。ビタミンB12 (コバラミン)
ビタミンB12はDNAの合成に葉酸とともに関わっています。末梢神経の傷を修復すると考えられており、腰痛・肩こりの治療薬として発売されています。植物にはほとんど含まれず、肉、魚、卵などの動物性食品に多く含まれます。植物性であっても納豆、味噌、醤油などの発酵食品には含まれます。海苔にも多く含まれています。 不足すると悪性貧血、神経障害が起こることがあります。極端に不足すると脳にダメージを受けることがあるので気を付けなくてはなりません。過剰症による害は心配ないでしょう。 食品中のビタミンB12が吸収されるためには、胃液・膵液が必要なため、手術によって胃、または膵臓を摘出した場合は欠乏症が起こる心配があります。そのような場合は医薬品やサプリメントによる補充が必要です。ビタミンC (アスコルビン酸)
コラーゲンの合成に関わっています。コラーゲンは肌の弾力を保ったり、骨を丈夫にするタンパク質です。またビタミンCは強力な抗酸化力を持っており、体内の活性酸素を消去してくれます。同じく抗酸化物質として働くビタミンEを還元してあげて、抗酸化作用を回復させる働きも持っています。 ビタミンCが不足すると活性酸素の消去が間に合わず、細胞の老化が早く進んだり、がん化のリスクが高まると考えられます。 毛細血管がもろくなって出血する壊血病を発症することがあります。ビタミンCにより鉄の吸収が良くなりますので、ビタミンC不足は鉄欠乏性貧血を起こしやすくします。 野菜や果物に多く含まれています。しかし水溶性で熱にも弱いため、調理によりかなりの量が失われます。生野菜や新鮮な果物から摂るようにしましょう。 喫煙やストレスがある場合はビタミンCがより多く消費されるので、多く摂るように心がけてください。 通常は大量に摂っても過剰症の心配はいりませんが、腎臓が悪い方が大量に摂取すると尿路結石が起こりやすくなると言われています。 高濃度ビタミンCの点滴が、副作用のない抗がん剤として利用されています。 ビタミンCは抗酸化力を発揮するときに過酸化水素を発生するのですが、正常な細胞はカタラーゼという酵素によって過酸化水素を代謝することができます。しかしカタラーゼを産生できないがん細胞は、過酸化水素により破壊されてしまうというメカニズムです。ビタミンD (エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)
カルシウムの吸収を助け、またカルシウムが排泄されすぎないように働き、骨を丈夫にしたり血中のカルシウム濃度を調整します。ビタミンDには細胞のがん化を防ぐ働きがあり、実際にビタミンDの投与により発がん率を大幅に低下させたという報告があります。 ビタミンDは紫外線を浴びることで体内で合成されます。あまり屋外に出ない方は不足しやすいので食事から十分量を摂取する必要があります。 魚に多く含まれています。植物性食品および乳製品にはほとんど含まれません。不足すると骨や歯が弱くなります。発がん率の上昇も心配されます。 過剰に摂取していると臓器にカルシウムが沈着してしまうことがありますが、食事からの摂取だけで問題になることはないでしょう。ビタミンE (トコフェロール)
活性酸素による細胞膜の酸化を防ぎ、その弾力を保ちます。それゆえビタミンEは老化を防ぐビタミンと言われることがあります。細胞膜の脂質を守るためにビタミンE自身が酸化されてしまいますが、ビタミンCがあればビタミンEは再び抗酸化力を回復することができます。どちらも不足しないように摂取しましょう。 血管の弾力も維持するため、動脈硬化を防いで心筋梗塞や脳卒中の危険を低下させます。抗酸化作用による発がん抑制や、免疫機能の低下を防ぐ働きも見出されています。 魚介、ナッツ類、植物油に多く含まれます。サラダ油にはビタミンEが多いことを表示するものもありますが、ビタミンEの摂取を目的に多く摂るのは止めましょう。サラダ油からは必須脂肪酸のリノール酸が摂れ、健康に良さそうなイメージがありますが、逆に日本人は過剰摂取が問題だと指摘されています。 ビタミンEの欠乏症は希ですが、十分な薬理作用を期待するには良質なサプリメントなどで補うべきでしょう。ビタミンCも一緒に摂ると良いでしょう。 なお過剰症が起こることはまず考えられません。ビタミンK (フィロキノン、メナキノン)
ビタミンKには止血に関わる補酵素としての働きがあります。新生児はビタミンKが不足しているため、出血を防ぐ目的で投与されます。また骨を丈夫にする働きもあるので、骨粗鬆症の治療薬として利用されています。 野菜や海藻から摂取することができます。特に納豆には大量に含まれるため、骨粗鬆症の予防に有用な食品です。大豆発酵食品である納豆は循環器疾患やがんの予防に大いに役立ちます。モノリスでもお勧めしている食品です。 腸内細菌によっても産生されるため、欠乏症になる心配はまずありません。抗生剤の服用を続けている場合、腸内細菌が死んでしまってビタミンK不足が起こることがあります。 不足すると出血しやすくなったり、骨が弱くなる心配があります。血栓を溶解させるワーファリンという薬の効き目を低下させてしまいますので、ワーファリン服用中の方は食品からのビタミンKの摂取を制限するよう指示を受けるでしょう。関連するお役立ち情報