胃がん(胃癌)の克服・共存を目指して
- 更新日2024年01月12日
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胃がん(胃癌)克服のためには早期発見・早期治療が大切
胃がん(胃癌)は2016年の部位別がん死亡数で、男性29,854人、女性15,677人、男女合計では45,531人と依然多くの方が胃がんで亡くなっています。
ちなみに、2016年にがんで死亡した人は男性21万9,785人、女性15万3,201人、合計37万2,986人です。
2016年 部位別がん死亡数は以下の通りです
死亡数の多い部位-男性 | 死亡数の多い部位-女性 |
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癌治療では「5年生存率」という言葉を良く耳にします。
治療開始してから5年間、生存しているかどうか(転移していても生存していればカウントされる)という意味ですが、5年前にさかのぼって癌の罹患数は下記の通りになります。
2011年 部位別がん罹患数は以下の通りです
罹患数の多い部位-男性 | 罹患数の多い部位-女性 |
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参考資料:国立がん研究センターがん対策情報センター(人口動態統計より作成)
胃癌の罹患数は2011年に男性90,083人、女性41,950人でしたが、5年後の2016年には男性29,854人、女性15,677人の方が亡くなられているのです。
胃がん(胃癌)治療の問題点
胃がん(胃癌)治療においては、主に内視鏡切除、腹腔鏡手術や外科的手術、そして化学療法(抗がん剤治療)などの治療が柱となります。
胃がんは比較的早期に発見されることも少なくありません。早期発見され、早期に治療ができた場合には胃がんを克服することもできますが、一部悪性度が高く、進行が早いタイプの胃がん(例えばスキルス胃がんなど)では発見が早く、手術で癌を取りきれたとしても再発・転移してしまうことが少なからずあります。
また、発見時既に遠くのリンパ節や肝臓転移、腹膜転移(腹膜播種)、骨転移、肺転移、脳転移などをきたし、手術ができない状態で発見されることもあります。
手術適応が無い場合は、主に抗がん剤治療を行うことがすすめられますが、抗がん剤治療は胃がんを治すための治療ではなく、一時的に症状を緩和したりあるいは一時的に癌を縮小させるための治療であり、抗がん剤治療だけで胃がんを克服することは難しいと言えます。
そのため再発・転移した胃がん(胃癌)を克服することは難しいと考えられています。
胃がんの治療で大切なのは、できるだけ早期に発見をすることと、内視鏡や腹腔鏡、あるいは開腹手術で癌を取りきることになります。
そして手術後「癌は取りきれたから安心です」「今までどおりの生活に戻っても大丈夫です」という言葉をそのまま受け取るのではなく、癌にとって居心地の悪い体内環境を構築していくことが大切です。
日本胃癌学会が発表したデータ「胃がん学会全国登録解析結果報告-2010年手術症例-」によれば、粘膜固有層または粘膜下層に浸潤がとどまるステージ1A期の早期がんで手術した場合、5年生存率は89.5%になります。
しかし、粘膜下層までにとどまっても所属リンパ節転移が1~2個見られるステージ1Bや固有筋層・漿膜下層まで浸潤したステージ1Bでは5年生存率は82.4%、ステージ2Aでは78.7%、ステージ2Bでは68.1%、ステージ3Aでは59.4%、ステージ3Bでは46.4%、ステージ3Cでは27.7%にまで低下してしまいます。
手術や抗がん剤治療だけに頼るのではなく、根本的に胃癌を作ってしまった原因がどこにあるのか見直し、改められる所を改めて癌が成長しにくい体内環境を構築することが胃癌克服には必要と思います。モノリスでは胃癌克服のお手伝いをするため様々な情報を持っています。お気軽にご相談ください。
胃がん(胃癌)の組織型
胃がん(胃癌)の病理組織学的分類
胃がん(胃癌)の組織型は内視鏡検査や手術のときに採取した組織を顕微鏡でみて診断されます。
胃がんは粘膜上皮より発生する上皮性悪性腫瘍と上皮以外の組織より発生する非上皮性悪性腫瘍に分類されます。胃の粘膜は腺上皮によって構成されているので、組織学的には胃癌のほとんどは腺がんです。腺がんはさらに、乳頭腺がん、管状腺がん、低分化腺がん、印環細胞がん、粘液がんに分類されます。扁平上皮がん、腺扁平上皮がん、カルチノイド、内分泌細胞がんなども上皮性のがんです。
非上皮性の腫瘍としては悪性リンパ腫や平滑筋肉腫、悪性GISTなども発生します。
胃がん(胃癌)の肉眼的分類
肉眼的分類では1.表在型(0型)、2.腫瘤型(1型)、3.潰瘍限局型(2型)、4.潰瘍浸潤型(3型)、5.びまん浸潤型(4型)、6.分類不能(5型)に分類されます。
胃壁は内側から「粘膜」「粘膜筋板」「粘膜下層」「筋層」「漿膜下層」「漿膜」で構成されています。このうち日本では「粘膜」から「粘膜下層」までの深さにとどまる胃がん(胃癌)を「早期がん」、「固有筋層」までの深さに達したがんは「進行がん」と呼んでいます。
粘膜または粘膜下層にとどまる早期がんは1.の表在型に分類され、さらに隆起型(I型)と表面型(表面隆起型(IIa型)、表面平坦型(IIb型)、表面陥凹型(IIc型)、陥凹型(III型))に分けられます。
固有筋層まで達した進行がんは2.腫瘤型(1型)から5.びまん浸潤型(4型)のタイプのいずれかに分類されます。
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- 腫瘤型(1型)
粘膜面から丸くがんが突き出しているタイプ 。境界が明瞭な隆起を形成するタイプの胃がん
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- 潰瘍限局型(2型)
腫瘍の中心に潰瘍のような形ができ、がんがそれを取り囲む堤防のような形を作り、正常部との境界がはっきりしているタイプ
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- 潰瘍浸潤型(3型)
胃がんで最も多いタイプ。腫瘍の中心に潰瘍のような形ができ、がんは堤防のような形を作っているが正常部との境界がはっきりしないタイプ
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- びまん浸潤型(4型)
腫瘍部と正常部の境界が非常に不明瞭で周りの堤防がなく、浸潤範囲がよくわからないタイプ
このうち進行が早く悪性度の高いスキルス胃がんは4型に属します。
胃がん(胃癌)の検査
胃内視鏡検査(ファイバースコープ)
いわゆる胃カメラと呼ばれている検査です。胃の中に胃内視鏡(ファイバースコープ)を入れて胃の内部を直接観察する検査です。ポリープを切除したり生検に必要な組織を取ったり出来ますので、胃がん(胃癌)の確定診断ができます。一定の条件を満たせば内視鏡を用いて切除することもできます。
造影検査
上部消化管造影検査(いわゆるバリウム検査)は造影剤(バリウム)と胃を膨らませる発泡剤を飲んで行うレントゲン検査です。また下部消化管造影検査(注腸造影検査)とよばれている肛門から大腸内にバリウムと空気を注入しX線検査を行うこともあります。
超音波内視鏡検査(EUS)
EUSは内視鏡の先端に超音波を発生する装置を付け、胃の粘膜の断層像を確認する検査方法です。EUSではがんの深さや周囲のリンパ節転移の有無の診断も超音波を使うことで可能です。
腹部エコー検査(腹部超音波検査)
腹部エコー検査は主に腹水の有無や胃の周りの大動脈周囲のリンパ節や肝臓への転移、胆道閉塞(黄疸)の有無を調べる検査です。超音波エコー検査は被爆など体に害が無いため何度でも行うことができます。妊婦さんが赤ちゃんの様子を見る時に腹部エコー検査を行う、あの検査です。
腹部CT検査
CT検査は胃がんと周りの臓器の位置関係、周辺臓器への浸潤の有無、胸部や頸部のリンパ節腫大、肝転移や肺転移、胸水、腹水の有無などを見ることができます。CT検査には造影剤と呼ばれる薬を注入して撮影する造影CTと造影剤を使用しない単純CTとがあります。造影剤を用いるとコントラストが強調され病変が明確に検出できるなどメリットがありますが、アレルギーを持つ方や喘息、腎機能障害等がある場合は造影剤を用いず検査します。
腹部MRI検査
MRI検査は強い磁場をかけて体の中の状態を調べる検査です。微小肝転移の診断やリンパ節転移の診断能に優れた検査です。
PET検査
PET検査はがん細胞が正常な細胞よりも活動性が高く、栄養となるブドウ糖を正常細胞よりも数倍取り込む性質を利用した検査で、がん細胞があれば、その部分に注入した薬剤(ブドウ糖に放射性物質を合成したもの)が集まります。
一度の検査で全身のがん検査が可能ですが、検査費用が高く頻繁に検査ができないという欠点もあります。また、PET検査だけでは胃がん(胃癌)を正確に診断することはできませんので、他の検査との併用が必要です。
腫瘍マーカー
胃がん(胃癌)の腫瘍マーカーとしては主にCEA、CA19-9などが使われます。胃がん(胃癌)では腫瘍マーカーの数値を調べることで手術後の取り残しがないか、抗がん剤や放射線治療の効果があったか、再発の兆候がないかなどをおおよその目安として判断することができます。
ただし、腫瘍マーカーは偽陽性を示したり、早期では陽性にならないことはしばしばありますし、進行胃がんでも陽性にならないこともあります。また他の癌でもマーカー値が上昇することもありますので腫瘍マーカーだけでは胃がんを特定することはできません。
その他の検査
骨への転移が疑われるときには骨シンチグラフィーを行うことがあります。また脳への転移が疑われる場合には脳のMRI検査を行うことがあります。
検査を受ける際に大切なこと
検査を受ける目的が不明な場合には医師に目的を確認してください。また、検査結果を確認する際には、聞くだけでなく、メモを取ったり録音をするなどして後で再確認できるようにしておくことが大切です。検査結果を聞いているときには理解したつもりでも冷静さを失ってしまっていたり、うろ覚えではっきり分からなかったりすることは良くあります。
病状を正しく把握することが治療の第一歩です。
胃癌の検査を控えている方、検査結果を知って不安がある方、血液検査の見方が分からない方、どんなことでも結構です。ご相談お待ちしております。
胃がん(胃癌)の治療と5年生存率・3年生存率
胃癌の治療
胃癌の治療は主に内視鏡的切除、手術療法(外科手術)、化学療法(抗がん剤治療)があります。
胃癌は抗がん剤治療の反応があまり良くないため、手術適応のある早期の胃癌では、出来る限り内視鏡切除や外科手術が優先されます。
しかし、癌の場所が悪かったり、癌が進行していたりして手術適応が無い時には抗がん剤治療を行うことになります。
脳に転移した場合には抗がん剤が効かないため、放射線治療が優先されます。また骨転移のため痛みが強い場合には痛み軽減のために放射線治療を行うこともあります。
抗がん剤治療は単剤で行う場合と、複数種類の抗がん剤を組み合わせて使う場合があります。
胃がん(胃癌)が粘膜内にとどまる早期がんの場合には内視鏡的治療でほぼ100%根治を目指せます。また粘膜下層まで浸潤しているがんでも内視鏡的切除や比較的小さな範囲の外科切除(縮小手術)で90%以上は治すことができます。
リンパ節転移したり、浸潤が大きく深くなると定型手術が必要になってきます。また直接多臓器に浸潤がみられる場合には拡大手術(定型手術+多臓器合併切除)が必要となります。
第三群リンパ節転移や多臓器への転移(肝転移や腹膜播種、肺転移など)が認められる場合には手術ではなく化学療法(抗がん剤治療)が治療の中心となります。
ただし、早期がんでも、胃がんの中でも悪性度が高く転移しやすい低分化型胃がん、未分化型胃がんでは内視鏡切除の適応とはならず外科切除が優先されます。
手術後には必要に応じて補助化学療法といって再発・転移を予防する目的で抗がん剤治療を行います。
一般に胃がんは抗がん剤の反応が宜しくありません。一時的に癌が縮小したり、あるいは画像上では確認できないレベルまでなることもありますが薬剤耐性のためしばらくすると癌は再び大きくなってしまいます。こうなると同じ抗がん剤は効かないため種類を変えて治療を続けていくことになります。
胃癌の5年生存率・3年生存率
国立がん研究センターが公表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2008-2009年5年生存率集計報告書」によると、胃がんの5年生存率はステージⅠ期94.9%、Ⅱ期は68.2%、Ⅲ期では43.4%、Ⅳ期では9.6%です。
3年生存率は、同センターが公表した「がん診療連携拠点病院 院内がん登録2011年3年生存率集計報告書」によると、ステージⅠ期96.1%、Ⅱ期は74.4%、Ⅲ期では55.3%、Ⅳ期では14.1%です。
胃癌治療を行っているみなさまへ
胃癌の治療に行き詰まり感を持っている方、相乗効果を期待したい方、余命宣告を受けた方、その他お悩みをお持ちのかた、モノリスにはさまざまな方からご相談を頂きます。
例えば
- がんと診断されこれから手術を控えている方
- 癌の手術後で再発・転移のリスクを抑えたい方
- 抗がん剤や放射線治療中で副作用を軽減したい方
- 一通り治療を行ったが効果が実感できなかった方
- 余命宣告を受けてしまったが、諦めていない方
- 人間の尊厳を大切にいきいきとした時間を過ごしたいと考えている方
- とにかく満足のいく有意義な時を過ごしたいと考えている方
ひとつでも当てはまる方はぜひモノリス(TEL:048-474-0884)にお電話ください。
皆様、最初は不安がっていますが、お電話でいろいろとお話しをさせていただくと気持ちも落ち着き、前向きに病気と闘っていく気持ちを持っていただけます。
医師任せにせずご自身たちで出来ることに取り組み、有意義な時間を過ごせるようになる方が多いようです。
胃癌と診断されて、どうすればよいか戸惑っている方、余命宣告を受けて頭が真っ白になってしまっている方、一度私たちと話をしてみませんか。お気軽にご相談ください。
胃がん(胃癌)を克服するために
胃がん(胃癌)を克服するには、胃がん(胃癌)になってしまった原因を知る必要がありますし、胃がん(胃癌)が再発しにくい体内環境を作ることも必要です。さらには治療中、治療後の生活の質を保ち精神的にも肉体的にも安定した豊かな人生・満足度の高い人生にすることがとても大切ではないかと思います。
いわゆる西洋医学の最先端の治療を行っている大学病院やがんセンターなどの大きな病院で「治療法は無い」と告知をされた患者さんでも、西洋医学以外に目を向ければ治療の選択肢はありますし、生活の質を保つ、あるいは向上させる術はいくつも残されています。
モノリスではがん患者様の今までの食生活をはじめとする生活習慣の見直し、ストレスの対処、モノの考え方などの見直し、がん患者さんやご家族の方が主体的にがん治療を受けることや死生観を持つことで患者さんらしさを取り戻して頂くことの大切さを、ともに考えていきます。
「転移したがんは治らない」「余命宣告を受けてしまったからもうダメだ」「治療を受けなければがんは進行してしまう」などなど、癌に対する悪い思い込みは捨てて、「転移癌でも治っている人はいる」「余命宣告なんて自分には関係ない」「癌とは共生・共存できる」と前向きになっていただければと思います。
どんなことでも結構です。ご相談お待ちしております。
大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。
学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員
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