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ミネラル

ミネラルはビタミンと並んで体に不可欠な物質です。 体の中でさまざまな働きを行っています。元素であり体で作り出すことができませんから、食事などから摂取する必要があります。もし不足してしまうと生体活動が正常に行われなくなり、体調を崩すことになります。 がん予防、がん治療では、ミネラルを不足しないように補ってください。栄養補給は非常に重要ですが、それはけしてカロリー補給と同義語ではありません。偏った食事は慢性的なミネラル不足を招く危険があります。場合によっては良質なサプリメントによる補給も考えましょう。 ミネラルはひとつを多く摂れば良いというものではなく、適量であること、ミネラル同士のバランスが良いことが大切です。過剰にとった場合には害が出ることもあるので気をつけてください。

カルシウム (Ca)

成人の体内には約1kgのカルシウムが存在します。その99%は骨や歯の形成に利用されていて、体型の維持などに必要です。残りの1%は体液や筋肉中に存在していて、骨格筋や臓器、血管の筋肉の収縮において重要な働きをしています。骨は絶えず破壊と再生を繰り返しているので、短期的なカルシウム不足があっても体液中のカルシウム濃度は極端に低下することはありません。ただしカルシウムは尿・便から少量が排泄されていますので、長期的な摂取不足は骨を弱くしてしまい、骨粗鬆症を招く恐れがあります。

カリウム (K)

細胞内に多く含まれており、細胞外にはあまり存在しません。カリウムは筋肉を縮めたり緩める(収縮・弛緩)働きに関わっています。細胞外の体液のカリウム濃度が高くなりすぎると心停止の危険があり、過去には注射薬による医療事故が起こっています。ですが通常は過剰のカリウムは腎臓から排泄されてしまうので、問題にはなることはありません。 ゲルソン療法ではカリウムを非常に重要視しており、組織タンパクの修復や酵素反応に関わる重要なミネラルとして位置づけています。がん細胞は細胞内のナトリウム濃度が高まっている異常細胞であると考えられています。日本人はナトリウムとの摂取バランスが乱れがちです。ナトリウムを減らしてカリウムを積極的に摂るように心がけましょう。野菜、果物、芋類、海藻に含まれていますから、意識して食事に取り入れましょう。

マグネシウム (Mg)

生体内には約30gのマグネシウムが存在し、さまざまな化学反応の触媒として関わっています。腎臓機能が正常であれば過剰症になる心配はまずありません。下剤の成分としても使われていて、一度に摂ると下痢を起こすことがあります。

鉄 (Fe)

ヘモグロビンの構成元素です。ヘモグロビンは赤血球に存在していて、体の隅々に酸素を運ぶ働きを担っています。そのため鉄が欠乏すると貧血(酸欠症状)を起こすことがあります。鉄は吸収されにくい元素であると同時に排泄されにくい元素でもあります。出血、献血、生理などにより失われますが、それ以外での排泄量はわずかです。鉄過剰症が起こることがあるので、やみくもに鉄剤やサプリメントを使うのは控えましょう。 鉄過剰症が一部のがんの発生リスクを上昇させるとの情報があります。 ほうれん草は鉄を多く含む野菜ですが、吸収が悪いので鉄の補給源としては適さないと考えられます。以前は鉄製のフライパンなども鉄の供給源となっていましたが、今はコーティングされたものが多いため、食材の鉄分が強化されるといった期待はできません。

亜鉛 (Zn)

生体内には2g程度が存在します。免疫の活性化、細胞の分裂、精子形成などのさまざまな生体反応に関わります。不足すれば免疫力が低下したり、傷の治りが悪くなったりします。血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンが正常に働くためにも必要です。

銅 (Cu)

生体内には0.1g程度が存在します。ヘモグロビンの合成の際に利用されたり、鉄の吸収を助ける作用があるため、不足すると貧血が起こることがあります。ただし普通に食事をしていれば銅欠乏症が起こることはまずありません。スーパーオキシドディスムターゼという酵素の中心元素でもあり、DNAを傷害する活性酸素を打ち消して、発がんを抑制していると考えられます。

セレン (Se)

セレンはグルタチオンペルオキシダーゼに含まれている元素で、生体組織の酸化を防ぐために活躍しています。酸化によるダメージは発がんに関わると考えられており、世界にはセレン不足が原因で発がん率が上昇しているのではないかと疑われる地域もあります。しかし必要量と中毒量の差が狭いため、大量のセレンの摂取は控えてください。過剰にとった場合に逆に発がんリスクが上昇するとの情報もあります。 セレン(セレニウム)はゲルソン療法にプラスして使われることがあります。免疫系に重要な刺激を与え、がん治療に重要な元素だと考えられています。毒性を回避するために投与スケジュールが厳密に定められています。

マンガン (Mn)

骨の形成に関わっています。種々の酵素の活性を高める働きを持っています。細胞内のミトコンドリアに存在するスーパーオキシドディスムターゼにはマンガンが使われています。スーパーオキシドディスムターゼは活性酸素を消去するための酵素であり、発がんの抑制に関わると考えられます。日本では、普通の生活をしていればマンガン不足に陥ることはまずありません。

クロム (Cr)

クロムが不足すると、インスリンの働きが悪くなってしまい、糖尿病を発症する場合があります。クロムは穀物に含まれているのですが、白米や小麦粉に精製してしまうとほとんどが失われてしまいます。

モリブデン (Mo)

生体内に数mg存在すると思われます。尿酸を合成する酵素やアルコールを分解解毒する酵素、硫酸塩の弱毒化酵素に含まれています。

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