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冬虫夏草ライブラリー

道教の修験者が愛用した不思議な丸薬【冬虫夏草ライブラリー】

「冬虫夏草」を最初に発見したのは、いったい誰だったのだろう。最も有力と思われるのは、深山に籠もって修行していた道教の修験者だったという説である。道教は古代中国の山岳民族に発する土着の思想。生きてある者はすべて大自然の神とつながっており、その恩恵を受けることができるという根本理念を持つ宗教だ。

大自然の神と契りを結んで仙人になろうとする修験者は、食物を確保するのも難しい深山に何年も籠もりながら、普通の人の何倍も長生きしたという。だが、どうしてそんなことが可能だったのか。おそらく彼らは大自然の神に導かれるまま霊峰に分け入り、冬虫夏草を見つける。そして長年の修行の間に、これが病気を癒やしたり気を養う貴重な力を持つことを知ったのだろう。そこでこれを採取し、木の実などと練り合わせて丸薬を作ったのでは、と考えられる。

古い書物に「仙人の像」を描いた絵が残されているが、仙人の首からぶら下げられた小さな袋が確認される。彼らはこの袋に冬虫夏草で作った丸薬を入れ、ことあるごとにそれを取り出して食べる姿をしばしば村人に目撃されていたそうな。まさに今でいうサプリメントそのものだ。これを聞いた時の皇帝が、この丸薬を不老長寿の妙薬として求めるようになったのも、ごく自然の成り行きだったと言えるだろう。