食事療法とは

がんは生活習慣病のひとつであり、食習慣はがんの発生に大きく関わっています。このページでは普段なかなか勉強することができない食事療法について、具体例などを織りまぜてできるだけわかりやすく情報提供してまいります。各栄養素のページはこちらからどうぞ。

はじめに

がん治療における食事療法の重要性について、みなさんはどうお考えになるでしょうか?あまり関心を持っていなかったり、大切だとは思いながらも実行していなかった、そもそもがんと食事は無関係だ、という人が大半ではないでしょうか。

食事療法はがんを始め、多くの病気対策のベースとなるものであり、極めて重要なものです。日本においてその認識が薄いのは、食事療法を勉強する機会があまりにも不足しているからです。そのため企業が発信するテレビCMや広告の情報を、正しい知識としてインプットしてしまうのです。

私たちの体を作っている原料は、いままで私たちが食べてきたものが全てです。
たとえばファーストフードばかり食べていると、加工肉の摂取量が多いうえに野菜不足になるため、発がん率が上昇します。
根拠の無い話に聞こえるかもしれませんが、これは世界中のデータから科学的に裏付けされた結論です。
→がん予防法

予防法としての食事療法についてお話ししましたが、がんと診断された後であっても、ぜひとも食事療法は取り入れて下さい。
がん治療は切った、焼いたで終わるものではありません。がんを克服するためには再発転移や新しいがんの発生を長期間にわたって抑え続ける必要があります。手術や放射線や抗がん剤治療(化学療法)はあくまで応急処置だと考えて下さい。食事療法をベースにして、がんのできにくい体を作りましょう。

塩分摂取量と胃がんの関係

塩分の摂取量と胃がんの発生率には密接な関係があります。日本人の平均塩分摂取量は11g/日ですが、これは他国と比べるとかなり多い量です。胃がんの発生率も世界の平均を大きく上回っています。

ところで日本よりも胃がんの発生率が高い国がありますが、それはどこだと思いますか?それは韓国です。韓国はキムチを大量に消費するため、一人あたりの塩分摂取量は日本を上回り、13g以上にもなります。
キムチは発酵食品であり、乳酸菌やビタミンなど健康に有益な成分も含んでいますが、それ以上に塩分量の多さと赤唐辛子が胃がんの発生率を高めていると考えられています。

厚生労働省の塩分量の目標は男性9g、女性7.5gですが、これは甘い目標です。世界基準は6g以下となりつつあります。

近年、胃がんの発生原因はピロリ菌であることがわかってきました。ピロリ菌による胃粘膜の炎症ががんを引き起こしますが、塩分はその炎症を悪化させてしまいます。

海外日系人の乳がん発生率

乳がんは食事の影響を受けることがほぼ明らかにされています。高脂肪食は肥満の要因となり、脂肪組織でのエストロゲン合成量を増加させます。エストロゲンは乳がんを増殖させる作用を持っています。

日本の乳がん発生率と、アメリカの乳がん発生率には倍以上の開きがあります。これは人種の差なのでしょうか?
興味深い報告があります。ハワイ在住日系人女性の乳がん発生率を調べると、日本在住の日本人女性に比べ高くなっていたのです。
これは人種が同じでも、生活環境・生活習慣が変化することによりがん発生率が変化することを意味しています。

逆に日本人に多い胃がんの場合は、ハワイ在住日系人では少ないことがわかっています。

日本に住んでいるからと言って安心はできません。日本の乳がん発生率は急増しています。死亡者数でみてもここ20年間でほぼ倍増です。高脂肪食、そして乳がんとの関わりが疑われている乳製品は控えることを薦めます。

イタリアの前立腺がん

乳製品との関わりが疑われるがんは、乳がんや子宮体がんといった女性のがんが多いように思われていますが、男性のがんである前立腺がんへの影響も疑われています。

前立腺がんは人種によって発生リスクに差があります。アメリカ黒人の発生率はアメリカ白人より高く、アメリカ在住日系人と比べると3倍以上の発生率です。
ですがアメリカ在住日系人の前立腺がん発生率は日本人男性の約7倍にもなるため、生活習慣の影響も非常に強いと考えられます。

ヨーロッパは古くから酪農が盛んで乳製品の消費量が多いのですが、やはり前立腺がんの発生率がアジア諸国に比べてかなり高い地域です。
ところがイタリアの前立腺がん発生率は周辺諸国に比べて低いのです。これはイタリアがトマトの大量消費国であることと関係があると考えられています。トマトの含むリコピンという成分は前立腺がんの発生を抑制するとの報告があります。

栄養素一覧

ビタミン

野菜からたっぷりと摂ります。しかしスーパーに並ぶ安価な野菜の中は、栄養素が極端に低いものがあります。できるだけオーガニック野菜(有機農産物)を選びましょう。

  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE

ミネラル

しっかり摂るべきですが、多くの日本人はナトリウムを過剰に摂取しています。減塩してください。

  • 亜鉛
  • カルシウム
  • カリウム
  • ナトリウム
  • マグネシウム

タンパク質

四足動物の肉は動物性脂肪を多く含むためお奨めしません。ソーセージやハムなどの加工肉は混ざりものが多くお奨めできません。魚肉や大豆製品などをタンパク質の補給源としてお奨めします。

  • アミノ酸
  • ペプチド

脂質

魚油やシソ油などに含まれるオメガ3脂肪酸は意識して摂りましょう。サラダオイルに豊富なオメガ6は多くの方が過剰摂取です。このバランスの悪さが、発がん・がんの進行に関わっていると考えられます。

  • オメガ3
  • オメガ6