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脂質(油脂)

脂質は体内にある水に溶けない物質の総称です。 脂質は体のエネルギー源として、細胞膜の材料として重要な栄養素です。また炭水化物やタンパク質に比べて2倍以上のエネルギーを持っているので、脂質は生体の貯藏エネルギーとしても適しています。 [caption id="attachment_242" align="alignnone" width="280"] 脂質の構造
グリセリンに3つの脂肪酸がエステル結合したものを単純脂質と呼びます。[/caption]

油と脂

脂質を見た目で区別するとき、油といった場合は魚油やサラダ油のような液状のものを、脂といった場合はバターやラードのような常温で固形のものを指します。いずれにしても水にはほとんど溶けないという性質を持っています。 分子内に二重結合があると融点がさがるため、低い温度でもなかなか固体になりません。逆に二重結合のない飽和脂肪酸は固体になりやすい脂質です。 植物性のマーガリンが固体であるのは、水素添加と呼ばれる人工的な加工が行われているからです。二重結合に水素をくっつけることで融点を上げています。

動物性脂肪と植物性脂肪

「動物性脂肪よりも植物性脂肪のほうが健康に良い。」という考えが常識として知れ渡っていますが、最近の研究では一概にそういうことではないことがわかってきました。市販される植物油の中には水素添加 という加工を受けたものがあり、それにより発現する毒性(トランス脂肪酸や微量成分の変質)が問題視されるようになってきています。また植物油中のリノール酸(オメガ6)の過剰摂取が健康を害していることもあきらかになってきました。 リノール酸はたしかに体に必須の脂質ですが、普通の生活で不足することはまずありません。それどころか現代人の多くは過剰摂取気味で、それが癌や生活習慣病を増加させる一因になっていると考えられます。 生体内で有用な働きをする必須脂肪酸にEPAやDHAがあります。これらは植物油から十分に得ることはできません。それらをたっぷり含んでいるのは魚です。特に青魚に多く含まれますから、意識して摂りましょう。ただしEPAやDHAは熱に弱いため、高温調理するとその有用性が減弱するので気をつけましょう。 四足歩行動物の脂肪はがんの発現・増殖に関わっていると私たちは考えています。控えめにしてください。

脂肪酸

脂肪酸は脂質を構成する成分です。またエネルギー源として使われます。構造の違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類することができます。 不飽和脂肪酸-二重結合部分をひとつ、もしくは複数個持っています。二重結合があると融点が下がるため、多くは常温で液状です。二重結合の数が多いほど酸素と結合しやすく、酸化(劣化)しやすくなります。 必須脂肪酸のオメガ3、オメガ6も複数の二重結合を有する不飽和脂肪酸です。 不飽和脂肪酸は体に良いと考えられてきましたが、通常はオメガ6は過剰摂取気味なので控えるようにして、オメガ3を意識して摂りましょう。また酸化の進んだ不飽和脂肪酸は体に害を及ぼす恐れがあります。加熱調理によって酸化は進むため注意が必要です。 飽和脂肪酸-二重結合部分を持っていません。不飽和脂肪酸に比べると溶け出す温度が高いため、常温では固形のものが多くなります。バターやチョコレートに多く含まれます。飽和脂肪酸を多く含む油は酸化されにくいため、加熱調理に向いています。

必須脂肪酸

脂質の中には必須脂肪酸と呼ばれるものがあります。体内で合成することができず、食事から摂取する必要があります。必須脂肪酸にはオメガ3とオメガ6と呼ばれる2つの系統があります。現代の日本人はオメガ6は充分に摂れているのですが、オメガ3が不足がちです。 日頃よりオメガ3とオメガ6のバランスを意識して食事を摂ってください。必須脂肪酸は体内で増えませんので、食べ物によって体のオメガ6/オメガ3比は大きく変化します。 日本人はオメガ6/オメガ3比が4程度。アメリカは20を超えています。ただし日本人であっても日本食離れの進む若年層についてみれば、かなり高くなるでしょう。

オメガ3

オメガ3は現代人に不足しがちな必須脂肪酸です。生体内で有用な働きをするため注目されています。魚が主な摂取源になるので、魚を多く食べている日本人は比較的充足していました。ところが欧米食が広まるにつれ、オメガ3の摂取量は低下しています。特に若い世代では顕著です。 オメガ3の不足は精神発達に影響し、うつ病や攻撃的な性格になりやすいとの報告があります。 オメガ3を十分に摂っている人は、がんや心疾患になりにくいことがわかってきました。オメガ6から過剰に合成される生理活性物質は、様々な疾患の原因になりますが、オメガ3はその生理活性物質を抑制してくれます。 オメガ3は1日に2g以上は摂るようにしましょう。
オメガ3 含有する食品 作用・特徴など
α-リノレン酸 (ALA) 亜麻仁油 しそ油 脳、網膜の働きを保ちます。熱や光によって酸化しやすいので保管に気をつけます。酸化してしまうと逆に体に悪い働きをします。亜麻仁油やしそ油は料理に直接かけるドレッシングなどに使い、けして炒め物などに使わないようにしてください。
エイコサペンタエン酸 (EPA) 魚油 体内でα-リノレン酸から合成することができますが、α-リノレン酸が体内で作り出せない必須脂肪酸なので、EPAは必須脂肪酸として分類されています。動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞などを起こしにくくします。がんの予防に役立ちます。またがんによる体調不良を改善する報告があります。酸化しやすい油ですので、魚料理は焼き魚よりも刺身をお奨めします。
ドコサヘキサエン酸 (DHA) 魚油 体内でα-リノレン酸→EPA→DHAと合成することができます。脳、精液、網膜のリン脂質に多く含まれます。うつ病やアルツハイマー病の発生を抑制するとの報告があります。

オメガ6

オメガ3と同じく必須脂肪酸です。不足しがちなオメガ3に対して、平均的な日本人はオメガ6を充分に摂取できています。通常はオメガ6を意識して摂る必要はありません。 植物油は健康に良いというイメージをお持ちかもしれませんが、けしてそうではありません。リノール酸の過剰摂取は健康どころか、発がん率を上昇させると考えられます。 リノール酸→γ-リノレン酸→アラキドン酸と体内で変換されていきます。(逆方向の変換もあります。) オメガ6とオメガ3の相互変換はありません。 アラキドン酸からは炎症を引き起こす生理活性物質が作られ、過剰になるとアレルギーをはじめ、さまざまな疾患を引き起こす要因になります。 過剰に合成される生理活性物質による持続した炎症が、がんの発現にも関わっていると考えられます。解熱鎮痛剤のアスピリンは最近の研究により大腸がんの発生率を大幅に抑制するとがわかりましたが、それはアラキドン酸からの生理活性物質の合成を阻害するためだと考えられます。
オメガ6 含有する食品 作用・特徴など
リノール酸 ベニバナ油 コーン油 必要量は2g/日。平均的な日本人は13~15g/日摂取しています。米、小麦、豆、肉、卵に含まれているので、サラダ油を控えてもまず欠乏症にはなりません。リノール酸は必須脂肪酸ではありますが、日本人の多くが過剰摂取です。意識して摂る必要はありません。サラダ油を大量に使う天ぷらや炒め料理は、多く摂らないように気をつけましょう。過剰摂取はアラキドン酸を増やし、癌、生活習慣病、アトピー性皮膚炎が誘発されるやすくなります。
γ-リノレン酸 (GLA) 月見草油 魚 ワカメ 昆布 卵 体内でリノール酸から合成することがでますが、α-リノレン酸が合成不可能であることから、必須脂肪酸として分類されています。γ-リノレン酸を目的にリノール酸を多く摂ることはお止めください。逆にγ-リノレン酸の合成効率が低下してしまう可能性があります。アトピー性皮膚炎を改善させたり、血糖値の改善に役立ちます。和食では摂りやすく、ファーストフードや加工食品に偏っているとまず不足するでしょう。ワカメや昆布からの摂取をお奨めします。植物油にはほとんど含まれていません。
アラキドン酸 肉、卵、魚 脳に多く含まれる。過剰摂取は血栓ができやすくなるとの報告があり、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。アラキドン酸を含むサプリメントもありますが、摂取はお奨めしません。過剰なアラキドン酸から合成される生理活性物質が、癌や生活習慣病の一因になっていることがわかってきました。

オメガ6/オメガ3比の重要性

オメガ6からは炎症を引き起こす物質が産生されます。ですがオメガ3からは強い作用を持つ物質はあまり作られません。そのうえオメガ3が増えると、オメガ6から産生される物質を抑えてくれます。現代人はオメガ6/オメガ3比が大きくなっており、それががんや生活習慣病、アレルギーなどを増加させている一因だと考えられます。

トランス脂肪酸について

トランス脂肪酸は加工油脂(マーガリン、ショートニング)に多く含まれます。最近その毒性が問題視されるようになってきました。 トランス型に対してシス型があり、天然に存在する脂肪酸はシス型です。 不飽和脂肪酸の二重結合を水素で置換する加工の際に、トランス脂肪酸が発生してしまいます。近年トランス脂肪酸が健康に与える影響が問題視されるようになり、海外では厳しい規制がかかっています。がんを気にされる方は摂取を控えてください。 日本では規制がないため、企業の自主性に任されているのが現状です。揚げ物がカラッと揚がり食感が良くなるために、トランス脂肪酸を含む油は外食チェーンでも使われている場合があります。

コレステロール

コレステロールの摂取量を減らすことは動脈硬化を防ぎ、健康に役立つとの考えが広く定着していますが、実際にはあまり健康に役立ちません。なぜなら食事からのコレステロールを制限しても、体内でのコレステロール合成量が増えてしまうからです。結局長期的に見ると血中コレステロールは低下しません。(短期的には低下する。) コレステロールの排泄を促進するという薬剤や健康食品もありますが、同じ理由から健康にはあまり役立つものではありません。 コレステロールの摂取制限を徹底すると、逆に寿命を短くする恐れがあります。がんの発生率も高まると考えられています。

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※保存料・防腐剤不使用