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C型肝炎の新薬… 難治性の7割に効果-読売新聞

C型肝炎の新しい治療薬が9月に承認され、近く発売される。難治性の患者が対象で、従来薬と併用し、治療期間は短くなる。副作用も強いことから、専門医のいる医療機関で処方される。(加納昭彦) 従来薬と併用 ◎ 強い副作用注意 画像の拡大 C型肝炎はウイルス感染によって起き、国内に約200万人の感染者がいるとみられる。慢性肝炎が進むと肝硬変や肝臓がんの原因にもなる。 治療は、ウイルスの増殖を抑える働きのある「インターフェロン」、「ペグインターフェロン」の注射や、抗ウイルスの飲み薬「リバビリン」を用いる。ウイルスの型(1型、2型)と量によって、使う薬の組み合わせや治療期間は異なる。 日本人の場合、治療の難しい「1型」が70%で、うち80%がウイルス量の多いタイプだ。「1型・高ウイルス量」は最も治療が難しく、ペグインターフェロン(週1回注射)とリバビリン(毎日服用)を併用する治療を48週続け、ウイルスを完全に排除できるのは49%だった。 今回新たに加わるのは、「テラプレビル(商品名テラビック)」という飲み薬だ。ウイルスの複製に関わる「プロテアーゼ」というたんぱくに働きかけ、増殖を抑える。 初めて治療を受ける「1型・高ウイルス量」患者に対し、ペグインターフェロン(商品名ペグイントロン)とリバビリンを24週併用し、テラプレビルを前半の12週間上乗せしたところ、73%でウイルスが排除された。 従来治療でウイルスが一度消えた後、再びウイルスが増えた患者では、88%に効果があった。しかし、従来治療でウイルスが消えなかった患者では、34%にとどまった。 従来の治療指針では、ペグインターフェロンとリバビリンの併用は48週から72週間とされた。新たな3剤併用治療は薬の効き目が強いことから、治療期間は24週と短くなった。 「効果に満足しています」 3剤を併用する治療で、C型肝炎ウイルスが消えた神奈川県の会社員の男性(59)は、こう話す。 男性は過去の輸血で感染した。ペグインターフェロンとリバビリンの併用でウイルスは一度消えたが、1年で再燃した。「いずれ肝臓がんになるのでは」。そんな不安を抱えていた。 3剤併用を始めて1か月で、効果が表れ始めたという。「今後は仕事にいっそう精進できます」と顔をほころばせる。 ただし、この治療は副作用も強い。 ペグインターフェロンとリバビリンの併用は、初期の発熱や頭痛、皮膚炎、全身のだるさなどの副作用がある。これにテラプレビルが加わると、発熱などに加え、貧血や重い皮膚炎の副作用が増える。 治験では、皮膚炎や吐き気などで30%以上の人が治療を中止した。会社員の男性も、貧血や、電車で気分が悪くなって嘔吐したこともあった。 厚生労働省研究班代表の虎の門病院分院(川崎市)院長、熊田博光さんは「大変効果のある薬だが、副作用も大きい。薬の特徴をよく理解し、専門医のもとで使ってほしい」と話す。 (2011年11月26日 読売新聞)

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