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レブラミド(レナリドミド)-多発性骨髄腫

弊社は製薬メーカーではございません。医薬品についてのご質問・ご相談は各医薬品メーカーに直接お問い合わせください。

レブラミドはサリドマイドを元に作られた抗がん剤です。多発性骨髄腫に対してデキサメタゾン(ステロイド)を併用して投与します。レブラミド単独使用の有効性は確認されていません。 サリドマイドと同じ多発性骨髄腫に適応がありますが、手足のしびれなどの副作用が起こりにくいと言われています。その反面、海外の報告ではレブラミドの使用により新たな癌が発生することが報告されています。 過去のサリドマイドの痛ましい薬害はご存じの方も多いと思います。レブラミドにも同様に催奇形性(胎児の奇形)のリスクがあります。妊娠の可能性のある女性はもちろんのこと、男性であっても避妊を徹底しなくてはなりません。 ※多くの抗がん剤には、レブラミドに限らず胎児に奇形が生じるリスクがあります。 レブラミドには血管新生阻害作用が認められ、癌を栄養不足にすることで抗がん作用を発揮します。しかし血管新生はがん組織周辺だけでなく胎児においても活発です。レブラミドが血管新生を阻害し胎児の成長を阻害してしまうため、催奇形性が起こると考えられています。

 レブラミドの添付文書からの情報

極めて重要な情報源である添付文書ですが、一般の方には非常に難解です。 少しでもわかりやすくなるように、重要性の高い情報をまとめました。 省略した情報や表現を変更した部分があります。重要な判断を必要とする場合は、必ず以下のサイトから原文を確認してください。 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 モノリスへのお問い合わせはこちらをご利用ください。お問い合せフォーム

効能効果(適応症)

再発又は難治性の多発性骨髄腫 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群

警告・禁忌・重要な注意事項

  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には決して投与しない。催奇形性のリスクがあり、妊娠期間中の投与は重篤な胎児奇形又は流産・死産を起こす可能性がある。
  • 本剤の胎児への曝露を避けるため、関係企業、医師、薬剤師等の医療関係者、患者やその家族等の全ての関係者が安全管理手順を遵守する。
  • 本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、投与開始から投与終了4週間後まで避妊の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させる。避妊を遵守していることを十分に確認すること。妊婦との性交渉を行わせないこと。
  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。
  • 深部静脈血栓症及び肺塞栓症を引き起こすおそれがあるので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(深部静脈にできる血栓は、肺塞栓の主な原因)
  • HIVウイルスが増加することがあるのでHIV感染者には慎重に投与すること。
  • 創傷の治癒が阻害されることがあるため、手術時は休薬すること。
  • 眠気や徐脈、低血圧による事故を防ぐため、自動車運転などを控えさせること。

発現頻度の高い副作用

治療歴のある多発性骨髄腫患者を対象とした国内第I相臨床試験の安全性評価症例(15例)及び5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者を対象とした国内第II相臨床試験の安全性評価症例(11例)において、合計26例中26例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少症23例(88.5%)、好中球減少症22例(84.6%)、白血球減少症21例(80.8%)、リンパ球減少症15例(57.7%)、便秘12例(46.2%)、発疹8例(30.8%)、貧血6例(23.1%)、好酸球増加症6例(23.1%)、そう痒症6例(23.1%)であった。(効能追加承認時) 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした外国第III相臨床試験〔MM-009試験(二重盲検期間2005年6月7日データカットオフ)及びMM-010試験(二重盲検期間2005年8月3日データカットオフ)の併合〕の本剤及びデキサメタゾン併用投与群の安全性評価症例において、353例中323例(91.5%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、好中球減少症135例(38.2%)、疲労92例(26.1%)、便秘78例(22.1%)、筋痙攣73例(20.7%)、不眠症63例(17.8%)、血小板減少症62例(17.6%)、無力症61例(17.3%)、貧血53例(15.0%)、下痢50例(14.2%)、末梢性ニューロパシー44例(12.5%)、悪心40例(11.3%)、筋脱力40例(11.3%)、振戦40例(11.3%)、発疹40例(11.3%)、末梢性浮腫38例(10.8%)、浮動性めまい36例(10.2%)であった。 5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群患者を対象とした外国第III相臨床試験〔MDS-004試験(二重盲検期間2008年6月26日データカットオフ)〕の安全性評価症例において、10mg群69例中66例(95.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。10mg群での主な副作用は、好中球減少症52例(75.4%)、血小板減少症33例(47.8%)、そう痒症18例(26.1%)、下痢13例(18.8%)、便秘9例(13.0%)、疲労7例(10.1%)であった。 骨髄異形成症候群患者では多発性骨髄腫患者より骨髄抑制が高い割合で認められた。

成績

外国の試験において無増悪期間と全生存期間の延長効果が認められたとする記載があります。 以下は添付文書中の成績表ですが、肝心の全生存期間中央値が推定不可となっており、評価できません。 ※無増悪期間が延長していても、全生存期間が延長すると推測することはできません。
外国第III相臨床試験(MM-009試験)の有効性成績の要約 (二重盲検期間:2005年6月7日データカットオフ)
本剤+デキサメタゾン群(被験者数=177) デキサメタゾン単独群(被験者数=176)
無増悪期間(TTP)
イベント発生者数(%) 73(41.2) 120(68.2)
中央値(週) [95%信頼区間] 60.1 [41.1,80.0] 20.1 [16.1,21.1]
ハザード比 [95%信頼区間] 0.285 [0.210,0.386] 0.285 [0.210,0.386]
p値(Log-rank検定) <0.001 <0.001
全生存期間(OS)
死亡患者数(%) 37(20.9) 60(34.1)
中央値(週) [95%信頼区間] NE [NE] 103.7 [82.6,NE]
ハザード比 [95%信頼区間] 0.499 [0.330,0.752] 0.499 [0.330,0.752]
p値(Log-rank検定) <0.001 <0.001
NE:Not Estimable(推定不可) 無増悪期間中央値 全生存期間中央値
服用中の医薬品を自分の判断だけで、中止・用法用量変更することは危険です。必ず担当医や担当薬剤師に相談して下さい。
監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医> 

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員