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がんニュース/がん治療・治療薬情報

ハーセプチン乳がんの術前投与可能に

乳がん・胃がんの治療薬であるハーセプチン(トラスツズマブ)に効能・効果が追加され、乳がんの術前補助化学療法として使用することができるようになりました。 ハーセプチンはHER2過剰発現がみられる乳がんの治療薬として、国内だけでなく、海外でも標準的に使われている分子標的薬です。

HER2(ハーツー)過剰発現とは

HER2遺伝子は細胞の増殖の調節に関わる遺伝子です。そのHER2遺伝子に異常が起り、HER2タンパクが過剰に作られるようになってしまった状態がHER2過剰発現と呼ばれています。 HER2タンパクが過剰に発現した細胞は、増殖の制御ができなくなり「がん化」してしまうと考えられています。

術前化学療法とは

手術の前に行う抗癌剤治療のことです。 術前化学療法の目的は
  • 手術前に全身に広がっている可能性のあるがん細胞を叩く。
  • 抗癌剤で腫瘍を縮小させ手術を可能にしたり、手術範囲を狭める。
特に乳がんの場合では、術前化学療法が提案される機会が多くあります。腫瘍を3cm以下にできれば、乳房温存手術に持ち込める可能性があるためです。そのため以前から術前化学療法の有用性について評価・検討されてきました。 ただし必ずしも化学療法の効果が出るとは限りません。治療期間中にがんが進行してしまう可能性があることは知っておかなくてはなりません。 今回の効能効果の追加により、ハーセプチンはHER2過剰発現がみられる乳がんに限り、術前投与が可能となっています。
監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医> 

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員