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分子標的薬について・分子標的薬一覧表

分子標的薬は新しいタイプの抗がん剤です。従来の抗がん剤とは違った抗腫瘍メカニズムを持っています。分子標的薬が狙うのは、がん細胞に多く発現している酵素タンパクなどです。それゆえ正常細胞に与える影響が比較的少なく、副作用は軽度だと言われており、続々と新しい分子標的薬が発売されています。

【薬剤師のコメント】

分子標的薬だからといって一律に安全性が高いというわけではありません。重大な副作用を持ち、複数の方が亡くなっている分子標的薬もあります。

残念ながら「夢の新薬」はまだ登場していません。マスコミ情報は参考程度にとどめてください。分子標的薬は安全だという偏った情報は、そのまま鵜呑みにしないでください。

使用するに当たっては、有効性と危険性のバランスを考慮すべきなのは従来の抗がん剤と同じです。情報収集には薬の専門家である薬剤師を利用すると良いでしょう。

【従来の抗がん剤の副作用の特徴】

従来の抗がん剤は基本的に、がん細胞が正常細胞よりも分裂・増殖が速いという点をついて攻撃します。しかし正常細胞の中にも増殖が速いものがあり、どうしても抗がん剤の攻撃を受けてしまいます。血液細胞や免疫細胞を作るために盛んに分裂している骨髄細胞が、抗がん剤の副作用で障害を受けやすいのはそのためです。

【分子標的薬の副作用の特徴】

分子標的薬はがん細胞の増殖の速さ利用して攻撃を仕掛けるわけではありませんので、骨髄毒性は目立った副作用とはなりません。そのかわり例えば血管新生を阻害してがんの育成を阻むような分子標的薬の場合、手術後の出血や肺出血が起こりやすくなる、脳梗塞や心筋梗塞の危険性が増す、というような血管に関わる特徴的な副作用が目立ちます。
分子標的薬は、それぞれ標的とする目標分子が異なるため、副作用のパターンもそれぞれ異なります。見逃してはいけない危険な兆候については病院で説明があったり、メーカーのパンフレットに記載があると思います。事前にしっかり把握しておきましょう。

分子標的薬一覧

商品名 一般名 剤形 効能 標的分子 コメント
アービタックス セツキシマブ 注射 大腸がん EGFR  
アバスチン ベバシズマブ 注射 大腸がん、非小細胞肺がん VEGF 他剤と併用する
アフィニトール エベロリムス 錠剤 腎細胞がん mTOR  
アムノレイク タミバロテン 錠剤 急性前骨髄球性白血病    
イレッサ ゲフィチニブ 錠剤 非小細胞肺がん EGFR  
グリベック イマチニブ 錠剤 慢性骨髄性白血病、消化管間質腫瘍、急性リンパ性白血病 Bcr-Abl、KIT  
スーテント スニチニブ カプセル 腎細胞がん Raf、VEGFR-2、FLT3  
スプリセル ダサチニブ 錠剤 慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病 Bcr-Abl、SRCファミリーキナーゼ、c-KIT、EPHA2R、PDGFR  
ゼヴァリン イブリツモマブ 注射 B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫 CD20  
タイケルブ ラパチニブ 錠剤 乳がん HER2 ゼローダと併用する
タシグナ ニロチニブ カプセル 慢性骨髄性白血病 Bcr-Abl、KIT  
タルセバ エルロチニブ 錠剤 非小細胞肺がん EGFR イレッサの第二世代薬
トーリセル テムシロリムス 注射 腎細胞がん mTOR  
ネクサバール ソラフェニブ 錠剤 腎細胞がん、肝臓がん Raf、VEGFR-2、FLT3  
ハーセプチン トラスツズマブ 注射 乳がん HER2  
ベクティビックス パニツムマブ 注射 大腸がん EGFR  
ベサノイド トレチノイン カプセル      
ベルケイド ボルテゾミブ 注射 多発性骨髄腫 プロテアソーム  
マイロターグ ゲムツズマブオゾガマイシン 注射 急性骨髄性白血病 CD33 米国で販売中止
リツキサン リツキシマブ   B細胞リンパ腫 CD20 注射

EGFR:Epidermal Growth Factor Receptor(ヒト上皮細胞増殖因子受容体)
mTOR:mammalian Target Of Rapamycin(哺乳類ラパマイシン標的蛋白質)
VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor(血管内皮細胞増殖因子)
PDGFR:Platelet-Derived Growth Factor Receptor(血小板由来成長因子受容体)
HER2:Human EGFR-Related 2(ヒトEGFR関連物質2)
CD33:造血細胞に特異的な膜抗原、単鎖膜貫通糖タンパク
CD20:リンパ球B細胞に発現する糖鎖不含膜貫通タンパク

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監修医師 藤沼秀光(医学博士)  <藤沼医院 院長、栃木県警察医>

監修医師 藤沼秀光(医学博士)

大学病院で研究、診療に従事したあと、藤沼医院にて統合医療に専念。学生時代より、病気は悪玉ではなく心と体のクリーニング現象(清浄化現象)であると捉え、その存在意義を追求するための研究・検証を行っている。’91年よりデトックス療法を開始、その後、魂と病気/心と病気、量子エネルギー測定等、未開発の先進医学に興味をもって取り組んでいる。日常診療では清浄化現象に適う、自然な医療を実践し、ガン・アトピー・リウマチ等の代替医療も手がけ研究会、学会、講演、TVで活躍し、遠く他県からの来院も少なくない。

学歴:昭和54年 3月 獨協医科大学医学部卒業/平成 2年 3月 医学博士号取得
所属学会:日本臨床生理学会 評議員/日本循環器学会 地方会評議員

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